[レポート]【プロデューサー/ディレクター必見】スマホゲームマーケの「嘘」2024【サイバーエージェントゲーム事業部】 #CEDEC2024 #classmethod_game
こんにちは、ゲームソリューション部のsoraです。
今回は、CEDEC2023のセッションレポートを書いていきます。
セッション概要
受講スキル:
- スマホゲームに携わる主にビジネスサイドの方(プロデューサー、ディレクター、プランナー、マーケター)
得られる知見:
- マーケターの方以外でも分かるスマホゲームマーケティングにおける正しい評価方法を今年もお伝えします
セッションの概要
スマホゲーム広告には多くの「嘘」が存在しています。
競争激化しているスマホゲーム業界では、莫大な予算を持つ海外企業の台頭などもあり、
広告費用、ゲーム開発費用共に増加し続け、それに比例し広告の重要性が増しています。にもかかわらず「嘘」=「広告成果の正しい評価を妨げる要素」によってスマホゲーム広告は複雑化しています。マーケターはもちろん、プロデューサーやディレクターなど事業の意思決定に関わる方こそ、施策を正しく評価をする方法を知ることが重要です。
スマホゲーム広告の評価指標は相対的で、その「正しさ」は見る角度によって大きく変わります。
一枚岩であるはずの運営チームとマーケチームの間でさえ、評価が大きく変わるケースが非常に多いです。
サイバーエージェントグループタイトルのインハウスマーケ及び、外部企業のマーケ支援の経験から得た知見を元に広告主が「正しく見るべき指標」について、誰でもわかるようにわかりやすくお伝えします。昨年の講演以降、ありがたいことにゲーム業界の様々な方からマーケティングに関するご相談をいただき、我々も多くの発見をすることができた1年となりました。培った知見を活かし、今年はよりパワーアップした内容で本講演をお届けしたいと考えております。
レポート
スマホゲームのマーケティングで起きている問題
スマホ利用者は年々増えているが、比率で見たときのスマホゲーム利用者があまり増えていない。
ユーザへの届け方やマーケティングのやり方を間違っているとのことです。
最近、日本のスマホゲームは厳しい状況にあると耳にすることはありましたが、このように数字含めた言語化をされていて改めて理解できました。
問題の原因
マーケティングの成果計測(投資判断)を3rdパーティ計測ツールに完全に依存していることが大きな原因とのことです。
3rdパーティ計測ツールに依存してしまうことについて、ゲームでは個人情報の登録が不要で、リセマラやボットにより大量なインストールが発生して、個人の特定が難しいことも背景としてあります。
3rdパーティ計測ツールとAppstoreで見たメディアごとの獲得数を見ると数値が大きく乖離していることがわかります。
全体的に数値が大きくなるとかであれば、数値の推測はできそうですが、ここまでメディアごとにずれがあると、さすがに計測ツールに 依存 することの危険性を感じました。
基本的に最後に接触した広告が成果の対象になりますが、実際はそうならないこともあります。
アプリの一番下にある広告は目立たないし実際に見てないことも多いですが、表示されている時間が長く、計測ツールでは効果があると判定されることもあるとのことです。
私も様々なアプリを使っていて、一番下に広告があるパターンが多いと感じていたので、そういうからくりがあったのかと納得しました。
admobなどで広告を掲載するアプリ開発側も、ユーザに目立つ広告は邪魔に感じて不快に思われるため、一番下など目に入らず邪魔にならないところに置きがちだと思うので、広告は一番下に置くことが一般的になってきているのかもしれませんね。
ゲームをDLする際の情報源が何かのデータは以下です。
データでみると、バナー広告では覚えていないしダウンロードしても課金率は低くなっています。
多くはバナー広告の成果だと判定されているものの、実際はYoutubeやXなどで流れる広告の方が効果がありそうです。
少しだけ解決する方法
解決する方法として以下スライドで挙げられていました。
広告表示の細かい設定部分については、時間の都合上で語られませんでしたが、出したくないところに出さないような設定もできるとのことです。
私はエンジニアでマーケティングにあまり興味はなかったので、マーケティング担当者以外もマーケティングに興味を持つという部分は、個人的に結構刺さりました。
感想
なんとなくスマホゲーム業界が厳しくなってきていることは話に聞いていましたが、データを用いて言語されたセッションですごく勉強になりました。
一番下に配置したバナー広告が多い理由・YoutubeやXの広告の効果が高そうな理由なども、データを交えて説明されていて、現状を正しく理解することができました。
エンジニアだとユーザが楽しいゲームや技術的なポイントにこだわりがちですしそれは良いことですが、マーケティングにもより興味を持っていこうと思いました。